Eagle Eyeメーカー 株式会社ファンケル様 D2Cの自社データと近しい指標で、小売店の動向を分析

Eagle Eyeメーカー

D2Cの自社データと近しい指標で、小売店の動向を分析

1980年から化粧品の通信販売を開始し、「安心・安全・やさしさ」を追求した無添加化粧品、健康食品などを展開するファンケル。通信販売や自社店舗販売のD2Cビジネスを中心とするファンケルで、卸販売の流通営業やマーケティング部門にEagle Eyeを活用いただいています。

(写真左より:株式会社ファンケル 井上様、勝田様、深川様)

お話をうかがったのは
株式会社ファンケル  
流通営業本部 流通営業推進部 課長 勝田智也様
化粧品事業本部 化粧品マーケティング部 係長 深川亮介様
健康食品事業本部 健康食品マーケティング部 井上海岬様

導入製品
Eagle Eye

営業をサポートする流通営業推進部、
プロモーションを行うマーケティング部で活用

――はじめに、みなさんがどのような業務をご担当されているか教えてください。

勝田様: 私は流通営業本部で、ドラッグストアやコンビニエンスストア、総合スーパーの卸を担当する営業チームをサポートしています。商談資料を作成するにあたり、販売動向や流出・流入の傾向を見て戦略を打ち出すといった場面でEagle Eyeを活用しています。

深川様: 私は化粧品マーケティング部で、新商品や既存商品の商品戦略立案、プロモーション戦略立案などを行っています。新商品開発の場合は同カテゴリの市場調査を、既存商品の場合は、市場調査に加えて競合商品との流出・流入の傾向などを見て、商品の実力値を測る参考にしています。

井上様: 私は健康食品マーケティング部に所属しています。深川と同じマーケティング部門なので、分析する商品に化粧品と健康食品の違いはありますが、基本的には同様の活用をしています。

小売店で購入する顧客像を理解し、
流通における課題に向き合うためEagle Eyeが必要だった

――ファンケル様ではEagle Eyeの前身のツールからご活用いただいていますが、はじめは流通営業本部から導入いただきましたよね。

勝田様: そうですね。弊社は通信販売、直営店舗もありますので、自社でお客様の情報を保有し、そのデータをすべての基本としています。しかし、ドラッグストアやコンビニエンスストアといった小売店に関してはその情報が手に入りません。小売店で購入する顧客像をもっと深く知り、今後の戦略に活かすため、True Dataのツールを導入したと聞いています。私が入社した10年前にはすでに活用が始まっていました。

井上様: 健康食品では2013年以降、より多くのお客様に手に取ってもらうため一般の小売業チャネルでの販売強化を推し進めてきました。テレビCMなどの広告を積極的に展開すると同時に、その受け皿としてドラッグストアやコンビニエンスストアなどの流通営業に力を入れてきました。小売店での販促における課題に向き合うとき、商品ごとの細かい分析ができるツールが必要になり、Eagle Eyeを導入しました。

深川様: 化粧品マーケティング部での活用はこの数年ですね。私が担当しているクレンジングや洗顔は卸チャネルの売上構成比が高いアイテムではあるものの、卸での状況が把握しきれず困っていたんです。そんなとき、流通営業推進部から「いいツールがあるよ」と教えてもらったのがEagle Eyeです。

とにかく仮説を出し続け、裏付けるためのツール

――具体的にはどのようにご活用いただいていますか?

勝田様: Eagle Eyeで分析した性年代別の購買傾向、同時併買分析に加え、口コミなど複数のデータを組み合わせながら仮説を立て、ターゲット選定などに活用しています。

たとえば弊社の葉酸サプリメント「ママルラ」を調べてみると、ゼリー飲料との併買率が高いことがわかりました。社内でヒアリングすると、妊娠時につわりで思うように食事ができないとき、ゼリー飲料で栄養を補給しようという方が一定数いることがわかったんです。そこからさらにセグメントを絞り込み、ターゲティングクーポンを配信するといった提案に役立てています。仮説を立てること、そしてそれを裏付けるためのツールとして活用することが多いですね。

――いろいろな機能を重ねて使っていただいて、上級者の技を感じます。

勝田様: True Dataさんにもいろいろ教えていただいてますもんね。営業から「こういう提案をしたいんだけど何かデータはないですか?」と頼まれることも多いので、日頃から時間があればデータを眺めて傾向を探しています。仮説に正解はないので、とにかく仮説を出し続ける(笑)!

小売店のお客様を理解するにはID-POSが不可欠。自社データと比較して活用

――マーケティング部門ではいかがでしょう?

深川様: 2023年4月に「マイルドクレンジング オイル<ブラック&スムース>」を発売したのですが、こちらは定番の「マイルドクレンジング オイル」とは異なるターゲットに向けた製品として開発したもの。発売後、既存品と新製品の購買年代などを確認し、実際に狙った層に届いているか検証しています。
そのほか、新商品を買っていただいた方が直前に何を購入していたのか調べたり、リピート率を確認して商品にご満足いただけているのかを確認したり。リピート率がサッと調べられるツールとして「ウレコン」もよく利用していますよ。ちなみに、開発後の検証はもちろんですが、それ以前の商品企画段階での市場トレンド調査などにも活用しています。

井上様: 私はEagle Eyeのデータを使って、各社の売上状況と自社のカテゴリ状況を月次でウォッチしています。プロモーションのタイミングで売上が伸びているか、他社の売上が伸びたときどんな動きがあったかを調べるなど、アクションを起こす際の起点となるデータとして活用しています。

勝田様: この2~3年、小売店でもお客様をセグメントしてクーポンを配信するなど、従来できなかった施策をできるようになったという環境の変化もあります。小売店のお客様のことは見えないからわからないで終わらせずに、ID-POSを活用してお客様を理解し、どうアプローチすればいいかを導き出すことが重要。自社データとも比較しながら、どうすれば流通の現場で売れるかを検証するためにも活用しています。

実購買データで分析できるため説得力が違う。データの即時性も魅力

――お取り組み先や社内での反響はいかがですか?

勝田様: 小売店様の施策が増えたこともあり、メーカーが、しっかりとデータに基づいた提案、検証をしていくことの重要性が高まっていると感じます。Eagle Eyeを活用することで、弊社ではかなり説得力のある提案ができていると思います。

井上様:  自社が運営する通販や店舗では、ID-POS以上に鮮明な購買データを取得することができ、それが社内のベースになっています。そこに小売店の顧客像が見えるデータがプラスできればさらに説得力が増します。そういう意味で、自社が保有するデータと近しい指標で見ることができるEagle Eyeは非常に有用。POSでは売上しか見られませんが、新規のお客様がどれくらいいるか、既存のお客様が減っていないか、売上変動の要因を分解して深掘りできることがID-POSならではの良さだと思います。

深川様: 弊社の場合インバウンドの売上もあるため、実際に卸した金額と、国内のお客様の需要が比例しない場合もあります。Eagle Eyeのデータは基本的に会員情報に基づいた売上なので、国内マーケットのトレンドを見やすいというのもポイント。あと、データの即時性も魅力ですね。最短で2日前のデータから確認できるということで、直近の結果を見られるというのが使いやすさにつながっています。

――最後に、今後Eagle Eyeに期待することなどあればお願いします。

勝田様: 私自身、いまはデータと睨めっこしながら仮説を導き出すやり方をしていますが、それって属人化しやすい作業なんですよね。今後もし、AIを使っていくつか傾向のヒントを出してもらえるようになったらもっと使いやすくなるんじゃないかなと期待しています。どういう人が買っているか、人物像をビジュアル化してくれるとか。

――ぜひ検討していきたいと思います。アドバイスいただきありがとうございます。




◆掲載内容は取材当時のものです。