シンガポールにリテールテック集結!「NRF APAC 2025」初出展 
~担当者が語る現地の声とドキドキの舞台裏~

2025年6月3日から5日まで、True Dataは、世界最大級のリテールカンファレンス「NRF 2025: Retail’s Big Show Asia Pacific(NRF APAC 2025)」に初出展しました。シンガポールのマリーナベイサンズで繰り広げられた3日間は、まさに「リテールテックの今」が凝縮された熱いステージでした。

当社はこのイベントに、株式会社博報堂と国内外の4社による共同ブースに出展しました。今回は、このプロジェクトをリードしたTrue Data データマーケティング事業部デジタルソリューショングループ長の古泉彰にインタビューを実施。現地の生の声、ブースの熱気、来場者の具体的な反応、そして未来に向けた熱いビジョンをお伝えします。


「NRF APAC 2025」とは

アメリカの小売業協会(NRF)が主催する、小売業界イベント「NRF Retail’s Big Show」のアジア太平洋版。本年は「Retail Unlimited」をテーマに掲げ、9,500人以上の参加登録者、70カ国以上の参加、240以上の出展者・スポンサー、そして150人以上の登壇者が集い、注目を集めました。最新のリテールテクノロジーやトレンドが集結し、業界のリーダーたちが知見を共有する場となっています。


講演テーマにみるリテール業界のトレンド

──熱気あふれる展示会だったようですね!多くの講演があったようですが、注目されるテーマに傾向はありましたか?

古泉:成長するAPAC諸国の人々が集う会場はとてもエネルギーにあふれていました!NRF APAC 2025は昨年はじめて開催され、本年が2回目。前回と比べ、展示や講演、参加者などかなり規模が拡大しています。今年は特に小売業の方の講演者も増え、3日間合計で 75の講演が開催されました。

講演テーマの傾向として特に多かったキーワードは、「CX(=顧客体験)」「デジタル」そして「ユニファイド・コマース」です。「ユニファイド・コマース」は、オムニチャネルやOMOに次ぐ新しい顧客体験を実現するための概念として近年注目されており、9つもの講演でテーマに掲げられていました。

顧客一人ひとりにフォーカスし、オンライン・オフライン、モノ・コト問わず様々な購入履歴、購買行動を統合(ユニファイド)して、パーソナライズされた顧客体験を提供する、というのがユニファイド・コマースの基本的な概念であり、企業や業態を超えて社会全体の融合を志向する点が特徴です。

「ユニファイド・コマース」は当社が出展した博報堂と国内外4企業の共同ブース全体のテーマでもあり、各社ブースでは複数企業間での共創を加速する様々なソリューションをご紹介しました。

ウエルシア×花王の取り組みに大きな反響!3日間で120名以上にご紹介

── 当社ブースの状況はいかがでしたか?

古泉: 本当に想像以上の熱気で、私自身も驚きと興奮の3日間でした!ありがたいことに、当社のブースは連日多くの方でにぎわい、国内外からなんと120名以上の方にデモやプレゼンを実施することができました。

ブースパネルに掲示したウエルシア様と花王様のロゴをご覧になり「この2社がTrue Dataと組んで、一体何をやるのだろう?」と興味を持って足を止めてくださる方が非常に多かった印象です。

ウエルシア様には、データを最大限活かして小売業の施策を総合的に支援するTrue DataのリテールDXサービスを採用いただいており、顧客一人ひとりに合わせた1to1マーケティングが実現する「AI販促ソリューション」が2025年度に導入される予定です。

AI販促ソリューションのイメージ

このソリューションでは、小売業とメーカー企業がシステム上で協業し、過去の購買データやクーポンの利用データなどをもとにAIが販促施策ごとにベストマッチする顧客を抽出し、オフライン・オンラインを問わず一人ひとりの嗜好に合った最適なクーポンを配布します。

花王様は、ウエルシア様とともにこのソリューションを活用いただく予定です。グローバルに展開する日本企業がこれから実施しようとしている事例は、多くの来場者が興味を持たれていました。

海外でも日本でも共通する「データ活用の壁」

── 来場された方は、どのような課題感を抱えていらっしゃいましたか?業種や国籍によって違いはありましたか?

古泉: 来場者の割合は、日本の方が7~8割、海外の方が2~3割といった印象です。業種は小売業のほか、コンサルティング会社、広告代理店、メーカー、システム会社など、実に多様な方々がいらっしゃいました。

皆様、共通して「いかにデータを活用して顧客体験を高め、販促効果を最大化するか」という課題意識を持たれていました。特に海外の小売業の方からは、日本と同じように「膨大なデータがあるのに、それをどうアクションに繋げれば良いか分からない」「パーソナライズされた販促をしたいが、具体的な方法が見えない」といった声が聞かれ、小売業の皆様が抱える課題は国境を越えて共通していることを強く実感しました。

コンサルティング会社や代理店の方は、非常に具体的な質問を投げかけてくださいました。このカンファレンスの最新情報をキャッチして発信される方々が、当社のソリューションを細部まで熱心に掘り下げてくださったことを、とても嬉しく思います。

「AI販促ソリューション」に熱視線!博報堂との連携も話題に

── 特に来場者の関心が高かったトピックは何でしたか?

古泉: 今回、ブースでは冒頭にお話した「AI販促ソリューション」にフォーカスしてご説明しました。このソリューションは、まさにNRF APAC 2025のテーマである「パーソナライゼーション」「AI」「データ」といったキーワードに直結する内容だったこともあり、来場者の皆様から非常に高い関心が寄せられました。

また、カンファレンスの直前に発表した博報堂様、DearOne様との連携ソリューション「Dual CX Loop for Retail™」も大きな注目を集めました。このソリューションは、リテールデータ、リテールメディア、リテールアプリの統合により、リテール企業、メーカー企業双方にとっての顧客体験を向上するものです。サービス内容についての説明を求める来場者も多く、流通業界の課題解決に繋がるソリューションだと評価いただけたのだと思います。

山あり谷あり!初の海外出展

── 初めての海外出展、準備から会期中まで、苦労したエピソードはありますか?

古泉: 苦労話はもう…山ほどありますね(苦笑)。実は私、新婚旅行以来10年ぶりの海外で、しかも行ったことのないシンガポール。英語が堪能なメンバーもいますが私はカタコトなので、ドキドキの連続でした(笑)。

準備期間はわずか1〜2ヶ月。私が主担当者で、参加メンバーも私を含め、3名という少人数体制での挑戦でした。会社としても初の海外出展でしたから、日本語と英語両方の資料準備はもちろん、現地での設営から運営まで、本当に何もかもが初めての経験で手探りでした。「これで本当に大丈夫か…?」と不安になる瞬間も正直ありました。

実は、開催2週間前というギリギリのタイミングで、急遽、ソリューションの操作デモ動画を制作することに。小売業向けとメーカー向けの2種類のデモ動画をTrue Dataのメンバーに作ってもらったのですが、これが大正解!視覚的に「何ができるのか」「どんなメリットがあるのか」が非常に分かりやすく、来場者の方々にも好評でした。あの時の決断は、今振り返っても本当に良かったと思います。大きなチャンスのときや困った時には、いつでも惜しみなく協力してくれる当社の仲間には感謝してもしきれません。

前日の設営風景

── 現地で得られた最も大きな学びは何でしたか?

古泉: 一番の学びは、やはり日本の小売業と海外の小売業が抱える課題が、驚くほど共通しているということです。シンガポールの小売業の方からも「こういうことがやりたかったんです!」といった、熱いお言葉をたくさんいただきました。この時「当社のソリューションは世界でも通用する」と確かな手応えを感じました。

国内外において小売業とメーカー共通の課題を解決する鍵が、データとAIであることも改めて明確になりました。今後、当社のソリューションを展開していく上で、海外でも同様のニーズが存在し、高い期待が寄せられているという事実は、日本での営業活動においても非常に強力な「裏付け」となります。今回の学びは、日本の小売業の皆様にもぜひフィードバックし、今後の戦略に活かしていきたいと考えています。

大手企業との具体的な商談へ:手応えは期待以上!

── 今回のイベント出展の成果について教えてください

古泉: 今回の出展目的は、小売業やメーカー企業との新たな繋がりを構築し、当社の「AI販促ソリューション」への理解を深めていただくことでした。

結果として、その目的は達成できたと感じています。会期中、数多くの具体的なご要望をいただきました。ある大手小売業様からは「ぜひ、具体的な提案をしてほしい」とのお話をいただき、現在、提案準備に取り掛かっています。また、大手メーカー企業からも「もっと詳しく話を聞きたい」というご要望をいただき、今回の出展が今後のビジネス展開に直結する大きな足がかりとなりました。ソリューションに対する深い理解と、そのビジネス価値をしっかりと伝えられた手応えがあります。

リテールとメーカーの「共創」を加速するプラットフォームへ

── 個人的な感想や、特に喜びを感じた瞬間があれば教えてください

古泉: 初めてのことばかりでドキドキの連続でしたが、終わってみればあっという間でした。何よりも、大勢の方がTrue Dataのブースに来てくれたことが、本当に嬉しかったです!!

会場には世界的に有名な大手企業もブースを構える中で、正直、当初は集客面で不安を感じることもありました。しかし、蓋を開けてみれば、ありがたいことに当社のブースは常に来場者がいらっしゃる状況で、有名企業にも決して負けていないことを実感できました。多くの方に当社のソリューションの魅力をお伝えし、興味関心を持っていただけたことで、当社のソリューションが小売業界のニーズにどれだけ合致しているか、揺るぎない自信を持つことができました。この達成感と喜びは、今回の出展で得た最高の宝物です。

── 最後に、今回の出展で得た経験を踏まえ、今後の展望についてお聞かせください

古泉: 「AI販促ソリューション」を「リテールとメーカーのコラボレーションを促進するソリューション」というキーメッセージで提案し、多くの方に共感していただくことができました。このコンセプトは、リテール業界における最先端のトレンドのひとつと言えるでしょう。小売業とメーカーがデータを介して共創することで、さらなる価値提供を目指します。

また、データを安心安全に管理しつつ、小売業とメーカー双方が用途に合わせて広告などに活用できるプラットフォームの仕組みについても、来場者の皆様から高い関心が寄せられました。「ユニファイド・コマース」が実現するプラットフォームとして、今後当社がリテールメディアへの取り組みなどを本格化していく上でも、非常に大きな期待と評価をいただいたと感じています。

NRF APAC 2025での成果を糧に、True Dataはこれからも小売業界のDXと成長を力強く支援してまいります。ご期待ください!


NRF APAC 2025 開催概要

  • イベント名称: NRF APAC 2025: Retail’s Big Show Asia Pacific
  • テーマ: Retail Unlimited
  • 開催日程: 2025年6月3日(火)~5日(木)
  • 開催場所: シンガポール マリーナベイサンズ エキスポ&コンベンションセンター
  • 参加登録者数: 9,500人以上
  • 参加国: 70カ国以上
  • 出展者・スポンサー数: 240以上
  • 登壇者数: 150人以上

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