湿度が高い日に売れる商品BEST30発表!

こんにちは。流通気象コンサルタント・気象予報士の常盤勝美です。6月といえば梅雨の時期ですね。梅雨時の天候の特徴は、曇や雨の日が多いことと湿度が高いことです。春から夏へと季節が移り行く過程ですが、ウェザーMD上のポイントとしては、意外と夏物季節商品の売上が伸び悩むことがある時期でもあります。今回は、湿度が高い日に強化すべき商品ベスト30をご紹介します!

梅雨入りに関する統計データ

まずは梅雨入りに関する統計データを別表で確認しましょう。梅雨入りはその時の気圧配置や、その後予想される天候の傾向から、まず速報的に気象庁から発表されます。その後の解析によって梅雨入りの時期が改めて吟味され、毎年9月最初の平日に発表される夏の天候を振り返る資料の中で示された日付が最終的な確定値となります。

表 各地の昨年(2021年)の梅雨入りの状況【出典:気象庁報道資料】

分析方法

2020~2021年、2年分の週別カテゴリ別購買データと、気象観測点東京における週別平均湿度(日平均湿度の7日間平均値)との相関係数を求めました。ここでは相関係数の高い順に上位30カテゴリをランキング表示します。なお、日用品はドラッグストアでの購買データ、食品はスーパーマーケットでの購買データを使用し分析しています。また生鮮三品は、旬や相場の影響をより強く受け、湿度との関係性が不明瞭となる場合があるため、分析対象から除外しています。

発表! 湿度が高い日に売れる商品BEST30

相関係数を元に、湿度が高い日に売れる商品ランキングを作成しました。

※2022年6月6日追記:上記表中に一部誤データが含まれていたため、修正いたしました。ご迷惑をおかけいたしました。

分析結果の応用

今回の分析には、梅雨時に限らず年間を通じたデータを用いています。つまりこのランキングデータは、梅雨時のみならず、それ以外の季節でも有効ということです。月単位レベルで雨が多く湿度の高い状況が続いた場合は、これらの商品の動きも良くなることが期待されます。例えば2022年4月の東京は、平均湿度が75%と1998年以来34年ぶりの高い水準となりました。ランクインしている商品の売上は例年のこの時期と比べて高かった可能性がありますので、次回のブログで検証してみることにします。

まとめと注意事項

商品の売上と気象の相関を取る場合、気温との関係を調べるのが最も分かりやすく、またはっきりとした結果が出やすい傾向があります。しかし、気温以外の気象要素で分析することにより別の気づきを得ることもできます。今回は湿度と売上の関係を分析してみました。是非参考にしてください。一方で季節的に晴れる日の割合が多い時期や湿度が低い時期は、1日~2日雨が降り続いて一時的に湿度が高くなっても、今回ランキングで示した商品の売上はすぐには伸びない可能性がありますので、本結果を参考にされる際はご注意ください。

※抽出データ                                   株式会社True 株式会社True Data「イーグルアイ」に搭載されている各商品の週次の購買指数(購買指数は週別購入金額の当該期間平均値を1としたときの比率)。

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株式会社True Data 流通気象コンサルタント 常盤 勝美
〈プロフィール〉
大学で地球科学を学び、民間の気象会社で約20年にわたりウェザーマーチャンダイジング関連サービスに従事。2018年6月、True Dataへ入社し、気象データマーケティングを推進。著書に『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』(商業界)など。気象予報士、健康気象アドバイザー、地球温暖化防止コミュニケーター。