こんにちは。流通気象コンサルタント・気象予報士の常盤勝美です。夏はまだ終わりませんが、今夏も記録的な猛暑だったといって良いでしょう。2025年8月5日には群馬県伊勢崎市で最高気温41.8℃を記録し、これまでの記録が塗り替えられました。10年ほど前まで、気温40℃以上は異常な値でしたが、今や毎年各地で40℃を超える地点が続出しており、もやは「異常」とは言えなくなりつつあります。筆者は、2025年1月1日に公開したブログ「メーカー企業のための気象&購買データ活用法第6回 大胆仮説!2050年の日本の天候」の中で、2050年までには沖縄県を除くすべての都道府県で気温が40℃を記録するのではないかと大胆な予想をしていますので、ぜひご覧ください。今回は、40℃を超える猛烈な暑さがどれほど広がっているのか、詳しく調べてみました。
今年新たに40℃超えの気温を観測した府県
今年も、7月下旬から8月上旬を中心に猛烈な暑さとなり、最高気温が40℃を超えた地点が続出しました。その中でも、今年初めて40℃以上の気温を観測したのは京都、岡山、広島の3府県(図表1)です。

(2025年8月15日現在)
40℃超えを記録した都道府県は22に
今年初めて40℃以上の気温を観測した3府県を含めると、これまでに40℃以上の気温を観測した地点が存在する都道府県は、全国の半数近くにあたる22となりました。
ちなみに、1℃条件を緩和して39℃以上の気温を観測したことがある都道府県を調べると、実に42に上ります(図表2)。これらの地点でも、今後数年以内に40℃以上を記録する可能性は十分高いと考えられます。

(筆者調べ;2025年8月15日現在)
興味深いことに、都道府県内で観測された最高気温が最も低いのは沖縄県です。過去最高気温記録は36.1℃で、南城市糸数(2013年8月7日)、宮古島市下地島(2016年7月5日)、石垣市伊原間(2012年7月8日)で観測されています。
購買データを活用しよう!
これまでは最高気温が35℃以上になる頻度が少なかったため、35℃以上の温度帯での売れ筋や行動パターンの分析は、統計的な精度が不十分なうえ、活用シーンが少なく、例外と見なされることが多かったのではないでしょうか。しかし、2023年以降夏場に35℃を超える日が一層増え、40℃以上を記録する地点も続出しています。最高気温が35℃以上、あるいは40℃以上の日は、どのような購買動向が見られるのかを定量的に分析すべき時代が来たと言えるでしょう。
猛烈な暑さの際の売れ筋を詳しく調査し、その特徴をぜひ見出してみてください。
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株式会社True Data 流通気象コンサルタント 常盤 勝美
〈プロフィール〉
大学で地球科学を学び、民間の気象会社で約20年にわたりウェザーマーチャンダイジング関連サービスに従事。2018年6月、True Dataへ入社し、気象データマーケティングを推進。著書に『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』(商業界)など。気象予報士、健康気象アドバイザー。