データ×データの発見クイズ ~常盤勝美のお天気マーケティング【番外編】~ 第28問

こたえと解説

こたえ ・・・ バナナ

農林水産省の資料によると、外国から輸入されるバナナは、旬の関係なく、年間を通して安定的に供給されるようです。流通量が多く、売上が季節や気温の影響をそれほど大きく受けないため、売上の上下の波は果物の中でも比較的小さいものとなっています。

売上の時系列グラフより、購買指数が1より大きい(年間平均と比較して売れる)時期がおおむね3月から7月頃であることが読み取れます。この時期を代表する果物が少ないため、相対的にバナナの売上が伸び、それ以外の時期は、その季節を代表する果物(例えば夏であればすいか、秋であればなしやぶとう、冬であればみかんやりんごなど)の売上が伸びる影響でバナナの売上が相対的に小さくなるのかもしれません。

また、年末年始に売上がやや落ちるのは、普段ある程度の売場が確保されているものの、年末あるいはお正月の定番の食材では必ずしもないため、年末年始はそれらの食材に売場の一部を譲ることを示唆しています。クイズ第11問で出題した食品がその典型例でした。年間を通して、流通小売り店でそれなりの面積の売場で展開されている果物ということからも、バナナを想像できるかと思います。

※抽出データ                                  株式会社True Data「イーグルアイ」に搭載されている、「果実_その他の果物_バナナ」カテゴリ(業態:スーパーマーケット、期間:2021年11月1日~2023年10月29日、データ抽出日2023年11月21日)の週次の購買指数(購買指数は週別購入金額の当該期間平均値を1としたときの比率)。

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株式会社True Data 流通気象コンサルタント 常盤 勝美
〈プロフィール〉
大学で地球科学を学び、民間の気象会社で約20年にわたりウェザーマーチャンダイジング関連サービスに従事。2018年6月、True Dataへ入社し、気象データマーケティングを推進。著書に『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』(商業界)など。気象予報士、健康気象アドバイザー。