小売企業のための気象&購買データ活用法 第11回     【保存版】意思決定に役立つ!要素別お天気マーケティングマニュアル

こんにちは。True Dataの流通気象コンサルタント・気象予報士の常盤勝美です。主に流通小売りに従事する皆さんに向けた本連載ですが、本稿を入れて残り2回となりました。今回は、さまざまな気象の状況が予想された場合にどのような対応を取るべきか、現場で即応すべき「店舗」の視点と、中長期的なリスク管理やバックアップを担う「本部」の視点に分けて網羅的にまとめました。保存版として参考になさってください。

なお、各対応例として示したものは、その現象が起こる時間帯や、継続時間、立地などよっても異なる場合があり、必ずしも毎回当てはまるわけではありませんのでご注意ください。

第一章 天気

  • 雨の日
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・降り出し/降りやみの時間
・雨の強さ
・注意報警報の発表状況/発表可能性
・河川水位に関する情報
・上流ダム放流計画
・ハザードマップ
・来店客数の減少
・雨具の需要急集中
・クレンリネスの低下
・発注量の調整
・雨の日売れる商品の売場強化
・値引きの前倒し
・傘売場を店頭に移動
・傘袋装置の設置
・シフト調整
・入口マットのこまめな交換
・入口付近の水拭き
・土のう積み
本部・農作物被害・生育影響
・建物、駐車場への浸水
・ライフラインの寸断
・産地での被害状況の確認
・代替産地手配
・土のう準備
・店舗への応援スタッフ派遣
・周辺店舗との商品融通調整
  • 雪の日
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・降り出し/降りやみの時間
・積雪の可能性、規模
・注意報警報の発表状況/発表可能性
・前日の特需発生
・来店客数の減少
・転倒事故の多発
・除雪用品の需要急集中
・クレンリネスの低下
・発注量の調整
・特需商品の事前売り込み
・店舗前道路の除雪(準備)
・入口マットのこまめな交換
・入口付近の水拭き
・救急箱準備
・シフト調整
本部 ・交通の乱れ
・帰宅困難
・農作物被害・生育影響
・ライフラインの寸断
・店舗周辺宿泊先手配
・自宅勤務・早退指示
・産地での被害状況の確認
・店舗への除雪スタッフ派遣
  • 雷の日
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・降り出し/降りやみの時間
・積雪の可能性、規模
・注意報警報の発表状況/発表可能性
・落雷被害(店舗破損)
・人的被害
・停電
・来店客数の減少
・お客様、従業員の安全確保
・値引きの前倒し
・シャッター下ろし
・自動ドアの中止
・売場の保温措置
・現金準備
本部 ・PC作業でのこまめな保存操作

第二章 気温

  • 顕著な高温・気温急上昇
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・気温の前日差、平年差
・体感温度
・最高気温の値
・分岐点温度への到達
・売れ筋の急変
・春夏物の欠品
・食中毒発生リスク
・熱中症発症リスク
・アイス/飲料/涼味などの店頭在庫確認
・肉は薄切り比率を高める
・暑いと売れる商品の発注強化
・店内冷蔵ケースの温度管理の強化
本部 ・熱中症対策(水分補給)の徹底の通達
  • 顕著な低温・気温急下降
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・気温の前日差、平年差
・体感温度
・最低気温の値
・分岐点温度への到達
・売れ筋の急変
・秋冬物の欠品
・体調不良者の続出
・加温什器へのホット飲料等の補充
・肉は塊比率を高める
・寒いと売れる商品の発注強化
・水道管の凍結防止措置
本部 ・体調管理(手洗い・うがい)の徹底の通達

第三章 その他の気象条件

  • 強風の日
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・注意報警報の発表状況/発表可能性 ・徒歩/自転車客の減少 ・かさばる商品の発注量減
・店舗周辺の整理整頓
・外売りの撤収、のぼり旗片付け
・バンドル販売中止、バラ売り
・交通機関運行状況確認
・シャッター下ろし
・自動ドアの中止
・現金準備
本部 ・交通の乱れ
・帰宅困難
・交通機関の運行状況確認
・自宅勤務・早退指示
  • 濃霧の日
担当チェックポイント考慮すべき影響対応例
店舗 ・発生予想エリア
・発生消散時間帯
・注意報の発表状況
・自転車客の減少
・結露の発生
・かさばる商品の発注量減
・商品の濡損対策実施
本部 ・通行止めの発生
・視界不良による事故多発
・交通機関の運行状況確認
・物流の状況確認
・通勤時の安全運転指導

次回は本連載の最終回です。これからの時代のウェザーMDのあり方について、提言します。

〇True Dataの小売業向けソリューションはこちら             https://www.truedata.co.jp/service/retail/  

〇「常盤勝美のお天気マーケティングブログ」過去記事はこちら  https://www.truedata.co.jp/blog/category/weather_marketing

〇「小売企業のための気象&購買データ活用法」バックナンバーはこちら                 第一回 「気温40℃が夏の常識に!? 小売業は「地球沸騰化」にどう立ち向かうか」              第二回 「長期予報はもっと使える! 営業企画や販売促進への活用法」                    第三回 「2週間予報や、過去データを活用した販促のやり方」                        第四回 「気象×購買データのエビデンスに基づいた販促で、訴求に説得力を」                              第五回 「季節イベント・季節現象との付き合い方」                            第六回 「店舗での気象・購買データ活用マニュアル(基礎編)」                        第七回 「店舗での気象・購買データ活用マニュアル(実践編)」                        第八回 「店舗での気象・購買データ活用マニュアル(LSP編)」                        第九回 「スーパーバイジングにおける気象×購買データの活用」                       第十回 「本部各部署での気象×購買データの活用による意思決定」

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株式会社True Data 流通気象コンサルタント 常盤 勝美
〈プロフィール〉
大学で地球科学を学び、民間の気象会社で約20年にわたりウェザーマーチャンダイジング関連サービスに従事。2018年6月、True Dataへ入社し、気象データマーケティングを推進。著書に『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』(商業界)など。気象予報士、健康気象アドバイザー。