リピート率No.1商品「フタアミンhiクリーム」の秘密に迫る

2019年4月に発表したTrue Dataのリピート率ランキングにおいて、ハンドクリーム部門のNo.1を獲得した「薬用フタアミンhiクリーム130g」は、個数順位89位ながら、30.75%という高いリピート率を誇る商品です。
今回は、本製品の販売元であるムサシノ製薬株式会社様(以下、ムサシノ製薬様)に、本製品の歴史や特徴とともに、リピート率No.1の反響と活用法を伺いました。

販売開始から32年、老舗製薬会社の人気商品

「フタアミンhiクリーム」シリーズを販売するムサシノ製薬様の創業は1971年(昭和46年)、医薬品の卸業販売業の認可を受けてから来年で50期目を迎える老舗製薬会社です。

 のちにフタアミンhiクリームとなる「フタアミンクリーム」が開発されたのは、昭和40年代頃のこと。「当時の看護師さんには、クレゾールやアルコールなどで手が荒れるという悩みがありました。この悩みを解決しようと試行錯誤した結果、できた商品と聞いています」と同社取締役兼執行役員・統括部長の北見慶宏氏は当時の開発経緯を説明します。

 その後、卵黄油で保湿性を高めるなどの改良を加え、フタアミンhiクリームとして販売を開始したのが1987年(昭和62年)。以来32年、派手なプロモーションを行わなかったにもかかわらず、地道な営業努力と口コミによって人気の商品となりました。

「@cosme」2009年に殿堂入り

 同社の取締役兼執行役員で営業部兼企画部長を務める山本満士氏は、「すでに使用しているお客様が、家族や親戚、友達に勧めていただいているというお話をよく聞きます」とおっしゃり、自身が営業する中でもお客様からの根強い支持を実感するそうです。

 そして、「フタアミンhiクリームは、赤ちゃんから年配の方まで使用できる商品。だから、家族全員で使えるのです。無香料ということから、男性の方の支持も根強いです。」とその人気の秘密を明かしました。同商品は無香料でかつ、赤ちゃんの肌にも使用できる天然成分で作られており、それは発売以来変わらないとのことです。

 こうした変わらない品質に対する信頼とともに、根強い支持を得ていることを証明したのが化粧品の口コミサイト「@cosme」のランキングでした。2007年に「@cosme」のベストコスメ大賞をはじめて受賞、3年連続の受賞で09年に殿堂入りを果たすに至りました。

売上規模は小さくとも「リピート率No.1」は取れる

 「@cosmeの受賞や殿堂入りは当社にとって非常に大きな出来事。販路もずいぶん広がりました」と北見氏は当時を振り返ります。当時はちょうどドラッグストアの急成長期。それまでの同社が中心に営業してきた薬局薬店に留まらず、ドラッグストアへと販路を開拓する時期とも重なりました。

 それから、約10年。True Dataによるリピート率No.1の発表は、@cosmeの受賞以来のビッグニュースだったそうです。

 「ネットニュースにTrue Dataの記事が流れていると聞いて、本当に驚くとともに、胸躍りました。すぐ多くの関係者の方にメールをしました」と北見氏。また、山本氏も「大手販売会社の商品をおさえて1位というのが非常に嬉しかったです」とその喜びを語ります。

 「薬用フタアミンhiクリーム130g」は、個数順位89位。売上規模は小さくても、リピート率という指標であればNo.1は取れるということを証明する結果でもありました。

「リピート率No.1」を活用して商品の良さをアピール

 同社は、このニュースをきっかけに、ID-POSデータの存在を知り、販促ツールとして「リピート率No.1」(※)を活用しています。

(※)True Dataが提供する「True Data No.1ロゴサービス」の一つ。全国のドラッグストアとスーパーマーケットの購買データをもとに、リピート率のNo.1証明とロゴを提供しています。

 「POSデータだけでは、判断基準が売上規模のみになってしまいます。その点、ID-POSデータはリピート率にも着目できるのがとてもいいです。特にドラッグストアでは『True Data』を知っている方が多く、話もしやすいです。リピート率No.1という実績があるからこそ、商品の良さについての説得力が増します」と山本氏は手応えを語ります。

 また化粧品企画部リーダー 熊谷奈々氏によると、「年4回出している販売店様の向けの、BtoBニュースにもリピート率No.1というトピックスを載せています」と販売店向けのアピール施策でのご活用についても教えていただきました。

 同社は、今後の重点販路として、ドラッグストアはもちろん、調剤薬局も視野に入れているそうです。「我々はもともと、まずは『サンプル』を試していただくスタイルで、テスターもご用意しています。調剤薬局の待ち時間に、テスターで試していただきながら、商品の良さを知ってもらいたいです」(北見氏)。

 1度知ってもらえば、必ずファンになってもらえる――長く愛され続けてきた商品であるということとともに、「リピート率No.1」という数字に裏付けられた自信が、こうした言葉からはにじみ出ています。

愛用者の熱い要望から、チューブタイプが登場

今年9月には、フタアミンhiクリームシリーズに新たなラインナップが加わるそうです。それが、チューブタイプの「薬用フタアミンhiクリームPetit(プチ)」です。

 フタアミンhiクリームの愛用者からは、持ち運びが便利なチューブタイプも出してほしいという要望は根強く、生産体制などの調整を含め、数年をかけてようやく実現されたとのことです。

 「お客様を大事にするということからリピート率につながっていると思います。そうした意味で、今回お客様のご要望を実現できる商品が発売できることは大変嬉しいです」と化粧品企画部 大沼葉奈子氏は語ります。

 同社では、昨年「笑顔つなげるムサシノ製薬」という新しいスローガンを掲げました。それには多くの人を笑顔にする商品づくりへの想いが込められています。性別も年齢も問わず、家族全員を笑顔にするフタアミンhiクリームは、同社の精神を象徴するような商品とも言えそうです。

 True Dataブログでは、フタアミンhiクリームのように、今後も売上規模だけではない、ID-POSデータを見ているからこそ発見できる、キラリと光る商品やその商品を販売する会社の想いにも注目していきたいと思います。