【当社社員が語る!】復刻版パッケージって一体誰に効果があったの!? SNSデータとID-POSデータを組み合わせてわかった3つのこと From Designers Eye

データマーケティング部の竹村です。「当社社員が語る!」シリーズには2回目の登場となります。

前回からすっかり季節も変わり、2018年も残り1ヶ月を切りました!個人的にはアキレス腱断裂という大けがをしたことしか印象になく、悔しい1年でした。さてアキレス腱断裂中に自宅でよく朝ドラを見ていたのですが、現在は日清食品の創業者、安藤百福さんがモデルである「まんぷく」が絶賛放映中です。

日清食品はこの「まんぷく」の放映日に合わせて「チキンラーメン生誕60周年」と題して昭和33年当時の「復刻版商品」を10月1日より販売していました。弊社の協業パートナーであるCREMU DESIGNが行った購入意向検証としてSNSデータの分析をしていました。今回はそちらの内容を元にID-POSではどのような変化が起きたのかを探っていきたいと思います!

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CREMU DESIGNによると「まんぷく」の影響で復刻版を買ったという声が何人かから挙がっており、朝ドラが復刻版の引き金になったようです。また「懐かしい」といったキーワードも挙がっており、「懐かしさ」が購入のきっかけになったのではと分析されています。

購入者の構成比を比較したら・・・シニアへの影響が判明

CREMU DESGINの分析によると9月25日~10月21日の間、Twitter上でのツイートが10月1日~5日の間に盛り上がったとのことでしたので、今回はこの期間を中心に、True Dataのスーパーマーケット版で復刻版パッケージの対象になった「チキンラーメン購入者の性年代を比較してみました。

以下はツイートが盛り上がった期間(10月1日~5日)とその直前の5日間(9月24日~9月28日)の購入者の年代を検証したものです。

ツイートが盛り上がった1週間前と比較して70代の購入者構成比が上がっていますね!朝ドラを見る年齢層と比較するとどうなのでしょうか?気になりますね・・・。

来店者数の影響を踏まえてわかった“購入されやすい世代”

さて、ここで1つ疑問が出てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「期間中に70代の来店が多ければその影響を受けるのでは・・・?」

もし、来店者の影響を加味したうえで結果を把握したい場合ID-POSの特徴が発揮されます。それは「来店者の構成比」が把握できることです。つまり、購入者の構成比と来店者の構成比を比較すれば、来店者の影響を加味したうえで、購入されている(=購入されやすい)かどうかがわかります。ということで先ほどのグラフを来店者構成比基準にして比較したものが以下となります。

※各年代の購入者構成比÷各年代の来店者構成比で算出 
100%以上:購入者構成比>来店者構成比・・・購入されやすい年代
100%未満:購入者構成比<来店者構成比・・・購入されにくい年代

ポイントは「9/24~9/28は100%を下回っており、10/1~10/5は100%を上回っている年代を発見すること」です。

すると、見事に30代後半はTweetが集中する前の期間(上記灰色)は100%を下回っており、Tweetが集中した期間は100%を越えています。そのためスーパーマーケットにおいては「30代後半に購入されやすい」ことが把握できました。また購入者構成比のみを比較した際に着目した70代において来店者を加味すると、70代前半に購入されやすいことがわかりました。

新規購入者に限ると購入されやすい年代は異なるか?

さて、ここまでは「まんぷく」の放映開始直後と開始直前の購入者の年代を見てきましたが・・・、この放映をきっかけに久しぶりに購入した人もいるのでは?と思いました。この検証を行うにあたり「Twitterで投稿が集中した期間から直近1年前(2017/10/01~2018/9/30)には購入がなく、2018/10/1~2018/10/5に購入した人」を新規者と定義し、上記同様に来店者構成比に対する購入者構成比を検証しました。

今回の調査で分かったポイントは次の3つです。

  • ツイートが集中した期間と直前の期間で購入者構成比に差が最もあったのは70代
  • 来店者の影響(=来店者構成比)を加味すると30代後半と70代前半が購入しやすい
  • 新規購入者のみで検証をすると購入しやすい年代は、30代後半と60代後半

特に新規者に限ると60代後半が購入しやすいという点は驚きました。朝ドラなど各種メディアを活用し広告を行う企業にとっては、今回のようなセグメントを設定して検証すると投資効果があったのかなかったのかを判断する材料になりますね!

このように、今まで以上に短期間で実施した施策についての検証を行うことが出来ることも弊社が所有するID-POSデータの強みであり、SNSデータと組み合わせることで、より詳細な仮説を構築することが出来ます!今回はID-POSデータとSNSデータを合わせた分析のみご紹介しましたが、「Designers Eye」はID-POSとSNSを掛け合わせて、データ分析に基づいた商品パッケージの提案までを一気通貫で行うソリューションです。ご興味のある方はぜひお問合せください!